
温泉小話第四話 風土記にみる温泉
歴史に文書としてはっきりと温泉が出てくるのは、奈良時代からです。各地方に関して記述された「風土記」には、現在でもよく知られている温泉を幾つかみることができます。
「出雲国風土記」には、”神の湯”についての記述があります。出雲の国造(くにのみやつこ)が宮廷に参内する時に身を清めた湯といわれ、一度入ると美しくなり、二度入るとすべての病が治るといわれました。この湯は、現在の島根県玉造温泉といわれています。また、”薬湯”として、現在の湯本温泉が、更に、海潮温泉の記述もあります。
「豊後国風土記」には、”赤湯の泉”についての記述があります。この湯の赤い泥を魔除けとして家の柱などに塗ったようです。この湯は、現在の大分県別府温泉の”血の池地獄”といわれています。「肥前国風土記」にも、熊本県の柄崎温泉が記述されています。
また、「伊予国風土記」には、愛媛県の道後温泉のはじまりが記述されていたようです。大穴持命(おほなもちのみこと)が少彦名命(すくなひこなのみこと)の病を治そうとして、別府温泉を地下水道でひき、湯に入れたところ治ったというものです。この時、湯の中の足跡が、現在も”玉の石”として残っているといわれています。更に、「摂津国風土記」には兵庫県の有馬温泉が、「伊豆国風土記」には、箱根の温泉が記述されていたようです。
風土記 |
温 泉 |
| 伊豆国風土記 | 箱根の温泉 |
| 摂津国風土記 | 有馬温泉 |
| 出雲国風土記 | 玉造温泉、湯本温泉、海潮温泉 |
| 伊予国風土記 | 道後温泉 |
| 豊後国風土記 | 別府温泉 |
| 肥前国風土記 | 柄崎温泉 |
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